もう36年も前のことになりますが、大学1年の終わり頃、私はラジオの深夜放送で実にショッキングな歌を耳にしました。吉田拓郎の「今日までそして明日から」でした。初めは何気なく耳に入ってきた歌ですが、いつしか「そうだ、その通りだ」とうなずいている自分を発見してびっくりしたものです。拓郎の歌との出会いで、私は拓郎のように行動を起こさなければならないと決心しました。私の中の“青春の風”が拓郎と共鳴して反応を起こし騒いだのです。それからすぐに大学を中退、20歳のことでした。つまり、私は拓郎の歌に刺激を受け、触発され、跳んだのです。早いもので、あれからもう36年が経ってしまいました。そして今、私の中の“青春の風”が再び騒ぎ出しました。〈結婚しようよ〉という映画に出会ってしまったからです。この映画は「拓郎の名曲で綴る“心の琴線物語”」というキャッチコピーに違わない素晴らしい内容です。
交渉事には相手がいますが、こちらが窮地に立たされるときは、相手が先手を打って仕掛けてきた場合です。相手は必ずある“意志”を持って仕掛けてきますから、まずはその“意志”が何なのかを把握することが必要です。たとえば仕事に置き換えてみましょう。相手は今まで良好に保っていた仕事を打ち切ろう、と考えているとしましょうか。当然のことながら、まず第一弾の先手として「今までの仕事の継続を見直したい」という通知をしてきます。通知された側は「うわっ、一大事」とばかりに狼狽します。これはしかたがないことです。仕事の継続が打ち切られると死活問題だからです。かといって、手をこまねいていてはそのままの形で押し切られてしまいます。相手の先手に対して、何か有効な手を打たなければなりません。
歴史上の人物・ヒラリー卿が88歳だと知ったとき、初めて彼は歴史上の人物から身近な存在に感じました。と同時に、彼のことをもっと知りたいという想いが湧いてきました。これまでは世界最高峰のエベレストを初登頂した登山家ということぐらいしか知りませんでしたが、新聞数紙を読むことによって、はっきりとイメージが湧いてきました。
明治神宮の“おみくじ”はいっぷう変わっています。明治天皇、昭憲皇太后の“和歌”となっています。すなわち、ガシャ、ガシャとおみくじを引くところまでは同じですが、「何番です」と言って出てくるのが“大吉”や“凶”のおみくじではなく“和歌”ということです。
今年はどうかなと思って、ガシャ、ガシャと振ってみたら“20”という数字が出ました。手渡された“おみくじ”は昭憲皇太后の和歌で“謙遜”という御題で、〈高山のかげをうつしてゆく水の ひききにつくを心ともがな〉でした。その意味は「高い山の姿を写して、谷川の水が段々と低い方へ流れて行くように、誰でも理想は高く、身はつつましく、ということを心がけたいものです。誰でも生まれながらに、尊い人格を親から授かっていることでは平等ですが、お互いに敬愛の心が大切です。ここに謙遜の美しい徳があります」で、要約すれば「心は高く、身はつつましく」ということです。
この曲の作者・芥川賞作家の新井満が2001年に私家盤の「千の風になって」を30枚プレスしたときに、誰が今日のヒットを予測できたでしょうか。30枚だけ作られた私家盤CDがきっかけになって6年後に100万枚を超える大ヒット曲が生まれた。これぞ“時代”が求めて生んだ“あらまほしきヒット曲”ではないでしょうか?
ミュージック・シーンは今もタイアップ至上主義です。タイアップが付かないと売れないという定説が根づき、本当に“いい曲”があっても売り切れないという現実は、いかがなものか?です。だからこそ、そんなミュージック・シーンの定説に強力なアンチ・テーゼを投げかけているのが「千の風になって」なのです。



