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ドキュメント「夢は眠っていないか?」Part.Ⅱ  人生59年、ふと気がついたとき、夢は眠っていないか? 

 長谷川泰徳、59歳。彼は現在、メインテナンス会社の社長をしている。そんな彼の自宅の応接間にあるレコード・キャビネットの中には、井上陽水の4枚のアルバム――『断絶』『センチメンタル』『陽水ライブ・もどり道』『氷の世界』――が大切に保管されている。そして、その4枚のアルバムの中の1枚『断絶』には陽水の直筆サインが刻み込まれている。
 彼が陽水の歌に初めて触れたのは1972年の夏のことだ。友人からすすめられたのがきっかけだった。その頃、彼は東海大学短期大学電子工学部で実験補助員の仕事をしていた。短大を卒業して、就職するか4年制の3年に編入するか、と悩んだ末の選択だった。彼は何かをしたいと考えていた。だが、その“何か”を発見できないでいた。実験補助員になったのは、何かを見つけ出すための執行猶予期間が欲しいと思ったからだ。だが、気持ちが空まわりするばかりだった。そんな、ある日のこと――彼の前に1年ぶりに現れた短大時代の同級生がいた。特別親しいというわけではなかったが、そのいでたちを見て彼はびっくりしてしまった、と言う。
「前は髪の毛も短くて真面目そうな男だったんだけど、だんだん学校に来ないようになり、そして1年ぶりに会ったときには、髪の毛を胸まで伸ばしてヒッピーみたいな格好をしていた。こいつは何を考えて生きているんだろうか? そんなふうに思うと、ちょっと付き合ってみたくなった。自分とは違う世界の人間だったから……」
 朝早く出かけて、夕方には帰って来るという日常生活のパターンから彼は抜け出したかった。そのいいきっかけがヒッピーふうの友人だったのだ。しばらく経った頃、彼はその友人に連れられて、彼が溜り場にしている喫茶店に行くことになる。そこにはヒッピーふうの友人と似たり寄ったりの連中がたむろしていた。そんな彼らに接しているうちに、彼の血が騒ぎ始める。自分と同世代の仲間が何かをしようとしている。そう思っただけでいてもたってもいられない気持ちになっていたのだ。彼の中で何かが動き始めていた。
 ある日のこと、音楽評論家志望の友人から「絶対にいいから」と言われて、陽水のデビュー・アルバム『断絶』を聴かされた。それまではクラシックしか聴いたことのなかった彼がなぜか一発で気に入ってしまう。
 それからしばらくして、彼は大学を辞めることになる。ボーリング場でたまたま知り合った男の生き方に感動を覚え、一緒に仕事をすることになるからだ。
「仕事なんてどんなものでもよかった。とにかくぼくは翔びたいと思ったのだ。学校の授業なんてバカらしい、早く人生勉強をしたい。そう思って彼がどんな仕事をしているのか知らないまま一緒にやることになった」
 その仕事というのがバキュームカーの汲み取りだった。その後、そこから派生して、彼は浄化槽の設計施工、その管理の仕事を覚えて独立する。独立するまでの2年余りは大変だった。だが、バックグラウンド・ミュージックには常に陽水が流れており、それが心の慰めとなった。
 75年に、株式会社にして本格的な営業を開始。それ以降、彼は会社を大きくすることだけを考えて頑張った。結婚もしたし、子供もできた。会社の社屋を建てて、増資もした。社員数も増えた。そして、ふと気がついたときには、陽水の歌がバックグラウンド・ミュージックから消えていた。と同時に、あの頃の夢は眠っていないか?と彼は自問自答している今日この頃です。
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category: 俺が言う!

2009/09/29 Tue. 10:36 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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