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坂本冬美の「ずっとあなたが好きでした」は“人生最後の恋文”ともいうべき“ファイナル・ラブレター”です。 

 数多いラブソングの中で特に成熟した大人同士の濃密な愛を描いたラブソングを“熟恋歌”と私は呼んでいます。
 熟恋歌の代表曲は「また君に恋してる」で“セカンド・プロポーズ”がテーマです。10代、20代でめぐり逢った男と女が愛を育んで結婚。やがて子供に恵まれて家庭を持ち、“男と女”から“父と母”になり、そして子供が成長して自立したときに再び“男と女”に戻ります。しかし、そのときにとまどってしまいます。さりとて友達でも兄妹でもありません。そんな事実に気がついたとき、2人は“男と女”であることを否応なしに意識させられるのです。そして“心の声”が聞こえてくるはずです。「また君に恋してる」と、言えるかどうかと。
 この歌は、このとまどいをテーマにしているのです。今さら「好きだ」「愛してる」とは言いにくい。でも言葉に出して伝えないと“男と女”には戻れないのです。「言いたいけど言えない」そんな男性の気持ちと「だからこそ、言って欲しい」そんな女性の思いを見事に表現しているのが「また君に恋してる」なのです。
 若い恋愛が願望とするならば大人の愛はジェラシーです。どんなに愛し合っても、私はあなたにはなれないし、あなたは私にはなれない。だから愛すればジェラシーを感じてしまうのです。そんなジェラシーを埋めるためには、哀しいくらいひたむきに愛を紡ぐしかないのです。離れたくないから時を越えて悲しみまでも共有してしまう。そんな大人の愛を表現しているラブソングが“熟恋歌”です。
 そんなことを考えながら、坂本冬美の新曲「ずっとあなたが好きでした」を聴きました。「また君に恋してる」を踏襲した“文芸ラブソング”といっていいでしょう。五輪真弓の「恋人よ」にも似た格調高さが感じられます。この歌を聴きながら私は自分のハートの一番敏感な部分を針でちくりと突かれてしまいました。なぜかというと「ずっとあなたが好きでした」というフレーズに共感を覚えてしまったからです。10代、20代の“灼熱の恋”を皮切りに、30代、40代の“迷走する恋”を経験し、50代に入ってからの“熟年の恋”を経て、やがて来るであろう“老いらくの恋”を迎えるまでの“期間”は人それぞれによって違うが、お互いのゴールが見えたときに、パートナーに何と言ってもらったら一番うれしいか、をふと考えてしまいます。パートナーから最後に贈られて一番うれしい言葉、逆に、パートナーに最後に贈ってあげたい言葉、これぞまさしく“恋文”の極致でしょう。さしづめ私だったら、最後に贈る言葉は「君に会えてよかった」であり、最後に贈られる言葉は「ずっとあなたが好きでした」であって欲しいと思います。その意味では、坂本冬美の「ずっとあなたが好きでした」は“人生最後の恋文”ともいうべき“ファイナル・ラブレター”です。あなたは大切な人にどんな“ファイナル・ラブレター”を贈りたいですか? 「ずっとあなたが好きでした」を聴いて一度真剣に考えてみて下さい。
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category: 俺が言う!

2010/10/04 Mon. 17:46 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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