富澤一誠の「俺が言う!」
音楽評論家 富澤一誠氏の 「俺が言う!」を掲載していきます。
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リスペクトの気持ち及び志がないと、往々にして金儲けに走ってしまう!
 介護事業コムスン問題に関しては腹の立つことばかりです。コムスンの親会社・グッドウィル・グループの折口雅博会長の記者会見における話を聞いていると、この人には介護事業に対して“志”が感じられないからです。結局のところ、介護を食いものにして金儲けの手段に使っているだけ、と言われてもしかたがないようです。介護を金儲けの手段にされたとしたら、介護サービスを受ける人、信頼してお金を払っているユーザーはたまったものではありません。それにしても、介護事業だけではなく、“志”のない人が多すぎるのではないでしょうか。年金記録漏れ問題もしかり、どこか“タガ”がはずれてしまっているようです。ひいては、日本そのものに“志”がない、ということにならなければいいのだが、と私は心配です。
 もっと身近なところにも同じ状況が起こっています。私たちの音楽業界においても、です。たとえば、テレビのゴールデンタイムの音楽番組に“志”のあるものは少ない、ということです。かといって、深夜番組に点在する〈COUNT DOWN TV〉(TBS)に代表される、プロモーション・ビデオを使って、たくさんの情報を詰め込んでいる“情報番組”には、情報はあっても“志”はありません。
 今でも音楽は若者たちに大きな影響力を持っています。ところが、すごい影響力があるにもかかわらず、それを使いきれていません。お笑いタレントが悪いわけではありませんが、お笑いタレントが司会をしている番組を見ていると腹が立ってきます。お前ら、この偉大なアーティストにそんなくだらない質問をするな、とか、もっと勉強してから質問しろ、とか思ってしまいます。はっきり言って、音楽を愚弄しています。きっと番組制作者が“志”を持っていないのです。視聴率がどうしたこうしたとか、それは民放であるかぎり仕方がないことかもしれません。NHKだってそうなのですから……。もちろん視聴率を取ることは大切ですが、視聴率を取るためにジャニーズ系ばかり出したり、吉本系ばかりを使うという、そういう発想自体がいかがなものか、と思います。理念がないし、ましてや“志”なんか感じられません。
 だからこそ、逆に“志”にこだわらなければならないのです。まず、理念、志があって、どういうアイディアで番組を作るかです。ただ売れればいいのか? 視聴率が取れればいいのか? 確かにビジネスにはなるけれども、やっぱり、それだけでは……。確かに売れている曲にもいい曲はたくさんあります。でも、売れていない曲にもいい曲はたくさんあるのです。それをいち早く紹介するのが本当の音楽番組です。テレビの音楽番組は、音楽が好きで“志”を持った人に作って欲しいものです。音楽をひとつのネタとしか考えられないような人には、音楽番組を作る資格などありません。音楽やアーティストに対するリスペクトの気持ちを持っていること、ここがポイントです。
 介護というものに対してリスペクトの気持ちを持っていないからこそ、コムスンには“志”がないのです。“志”がないから金儲けに走って、結局、介護を食いものにしてしまうのです。介護、音楽、映画、小説など全てにおいて言えることです。その意味では、私たちもリスペクトの気持ちを持ち、志を決めてから事にあたることが大切です。コムスンはあなた自身でもあるのです。
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