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昭和歌謡のカバーとノンフィクション・ソングへのチャレンジによって、米良美一は新しい地平を切り開いたようです! 

 カウンターテナー(女性の音域を歌うファルセット唱法)として一世を風びした米良美一。彼の透明感あふれる美しいボーカルがたくさんの人々のハートを鷲づかみにしてしまったのは、1997年に宮崎駿監督のアニメーション映画〈もののけ姫〉の主題歌「もののけ姫」を歌いヒットしたからです。それ以来、彼はカウンターテナーを武器にクラシック畑で活躍してきました。
 その彼のニュー・アルバム『名曲集vol.1』はクラシック作品ではなく、全10曲中9曲が「つぐない/テレサ・テン」「真っ赤な太陽/美空ひばり」「圭子の夢は夜ひらく/藤圭子」「いいじゃないの幸せならば/佐良直美」など昭和歌謡の名曲カバー集です。クラシック歌手がなぜ昭和歌謡を歌うのか?「そのきっかけは美輪明宏さんの『ヨイトマケの唄』です」と米良は言う。66年に大ヒットした「ヨイトマケの唄」は、女手ひとつで自分を育ててくれた亡き母を主人公の息子が回顧する歌詞が胸を打つ名曲。
「私自身が『ヨイトマケの唄』の主人公と同じような境遇ですので、この歌とめぐり逢い、歌わせていただくことで、いろんな複雑な気持ちが整理できたんです」
 05年頃から米良はコンサートなどで「ヨイトマケの唄」を歌ってきました。それがきっかけで、「それまでのクラシック音楽、オペラ、バロック音楽が中心だった音楽活動から、自分が子供のころに親しんだ演歌、歌謡曲といった大衆が愛した歌を歌い、後の世に引き継ぐ役割を担っていきたいと思うようになったのです」と言う。さて残りの1曲はオリジナル曲の「ありのままで」。これは沢田知可子が米良のことを思って作詞した作品(作曲は沢田の夫・小野澤篤)です。
「沢田さんとご飯を食べながら、私の人生を振り返る話をさせていただいたらすごく感銘を受けてくれて、それで歌詞を作ってくれたんです」
 沢田は米良の生い立ちを聞いて「ありのままで」を第2の「ヨイトマケの唄」みたいになればいいなという気持ちで作詞をしたそうです。沢田との運命的な出会いから生まれた「ありのままで」は米良自身のノンフィクション・ソングと言っていいでしょう。
「ありのままで」に対して、米良はこんなふうに考えています。
「音楽もドラマティックで、素敵すぎて、ちょっと私にはもったいないくらいです。これまで私がクラシック音楽を歌っているときは何百年も前に作られたバッハさんやモーツァルトさんの曲で、私のために書かれた曲ではないし、『もののけ姫』も映画の主題歌であって、私をイメージして書かれた曲ではないじゃないですか。そういう意味では、初めて私のために書いて下さったと言っても過言ではありませんので、大変感謝して歌わせていただいています」
 昭和歌謡のカバーとノンフィクション・ソングへのチャレンジによって、米良美一は新しい地平を切り開いたようです。
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category: 俺が言う!

2012/05/22 Tue. 10:44 [edit]   TB: -- | CM: --

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