現実の壁にぶちあたったとき、まずしなければならないことは、なぜ上手くいかないのか?という要因を分析することです。これが明確になっていないと打つ手が考えられないからです。たとえば、何かを作った、としましょう。物は何でもいいのです。この“何か”をしかるべき人に見てもらってビジネス化できるかどうかがポイントです。当然ながら、作った本人は最高のものだと信じています。それはそうです。自分が絶対にいけると信じて作った物でないかぎり成功するはずはないからです。しかしながら、現実はそう甘くはありません。自分が最高だと思ってはいても、相手がそれを評価してくれるかは別次元の話だからです。見てもらって、相手も「最高!」と認めてくれたらこんなに素晴らしいことはありません。しかし、現実は相手に認めてもらえないことの方が多いんです。しかも、ボロクソに言われたりすることも……。さて、問題は、相手に認めてもらえないときにどうするか?です。
もうひとつは、逆です。評価されなかったという“現実”を重く受け止めた場合ですが、プロが客観的に見て、このままではビジネス化できないと判断を下した訳ですから、自分の作った物自体に何か欠点がある、ということです。この場合、新しい物作りにチャレンジするか、大幅な修正を加えなければなりません。
どちらが正しい、とは言えません。どちらかに決める、ということは結局のところ自分自身です。作った物に絶対的な自信があれば認められるまで待てばいいし、欠点があると思ったら修理して完璧な物に仕上げるべきです。いずれにしても、そのままではダメだという“現実”に正面から向かい合って自分で判断を下すべきです。逃げていても何の解決にもなりません。だから、現実に正面から向かい合う“強さ”が必要なのです。
私も今、現実という壁にぶちあたっています。どちらかを選ぶつもりですが、そのときに考えていることがあります。それは自分の作る物がひとりよがりになってはいないか、ということです。自分がやりたいというめざすべき方向性は確保しつつ、現在のユーザーが求めているものをリサーチして、それをマッチングさせる、ということが必要です。このバランスが取れていないかぎり、おそらく現実という壁を突破することはできないのです。その意味では、時代が必要としている物をいち早く察知して、自分のやりたい物を作り上げることです。クリエイティブとはそういうことではないでしょうか……。

