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『あずさ2号』『なごり雪』『木綿のハンカチーフ』『いい日旅立ち』。そして『モーターマン』から14年、そろそろ「列車の歌」の名曲が生まれてもいい頃です! 

 歌のシーンに列車ほど似合うものはありません。故郷からの旅立ち、夢破れて都会からの帰郷、そして恋人との別れ……。そんなとき、列車と駅はいつも身近な存在でした。なぜ列車をテーマにした歌に共感を覚えるのでしょうか?
 “列車の歌”といって、真っ先に思い浮かべるのは狩人の『あずさ2号』。
 この歌が大ヒットした1977当時、〈あずさ2号〉は、新宿を8時に出て、八王子、甲府、茅野、上諏訪、辰野、塩尻と停車していき、終点・松本に11時46分に到着していました。運行形態が変わった今でも歌のほうは今なお根強い人気を誇っています。
 この歌の新しさは、失恋を歌うと共に”自立する女性”の応援歌でもある、という点にあるのです。従来のラブソングでは、男に振られてめそめそする弱い女性が主人公でした。ところが、この歌では、別れを自分の意志で決めて旅立ち、気持ちを能動的にリセットする強い女性像を打ち出しています。
 “私は あなたから旅立ちます”というフレーズが女性の共感を得たからこそ、『あずさ2号』は大ヒットしたのです。

 列車での別れのシーンを綴った名曲はイルカの『なごり雪』の『なごり雪』は、列車に乗って女が男のもとを去ってしまう、早い話が、男が女にふられる内容です。だが、ただのラブソングではありません。そこには”愛の心理”が見事に描かれているからです。男と女のうち、一方が人間的に大きく成長したとき、二人のバランスが崩れてしまう。この歌では、成長した女に男がついていけず、その“心の距離”を“今春が来て…きれいになった”というフレーズが的確にえぐっているのです。なぜ去年よりきれいになったのか? それが理解できないかぎり、女性は去っていくことでしょう。

 故郷からの旅立ちを見事に歌にしたのが太田裕美の『木綿のハンカチーフ』。
 自分の“夢”のために都会へ旅立つ男。田舎に残って男を見送る女。男にとって、“東へと向かう列車”は、夢へ近づくシンボルです、女にとっては恋人を連れ去ってしまう悪魔のような存在です。この歌はそんな旅立ちのシーンから始まって、その後の男と女の心情の変化を、対照的に書き出しています。“都会の絵の具に 染まらないで帰って”と心配する女の気持ちをよそに、男の方は“贈り物”“指輪”“スーツ”に囲まれた、都会ふうのスタイルに染まっていく。やがて、お祭り気分の毎日に流されていく男は、いつの間にか女のことを忘れてしまう。愛よりも目先の欲に転んでしまう若者の弱さを、この歌は見事に表現しているのです。
 
 もはや日本の歌のスタンダード・ナンバーとなっているのが山口百恵の『いい日旅立ち』。
 『いい日旅立ち』を聴くと旅に出てみたくなります。なぜそう思うのか?
 今自分が行ってみたいと思っている土地の映像が、自然と浮かんでくるからです、“雪解け間近の北の空”というフレーズを聴くと、北海道や東北地方の風景が胸をよぎります。しかも、“日本のどこかに 私を待っている人がいる”というフレーズは、スケールの大きさが感傷を際立たせ、泣かせます。そして、ロマンスの主人公になれるような錯覚さえ呼び起こすのです。

 このように”列車の歌”はたくさんあります。そんな列車の歌に”革命”をもたらしたのが1994年12月8日にリリースされたスーパーベルズの『モーターマン』でした。“赤羽 浦和 大宮 上尾……”と駅名をブレイク・ビートにのせて連呼して一躍注目を浴びたスーパーベルズ。“車掌DJ”と異名を取る野月貴弘の鉄道知識を十二分に駆使したユニークなオリジナリティは、鉄道ファンだけでなく一般ユーザーまでをも唸らせました。
 『モーターマン』から既に14年が経ってしまいました。そろそろ斬新な“列車ソング”の誕生を期待したいものです。
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category: 俺が言う!

2013/08/26 Mon. 11:01 [edit]   TB: -- | CM: --

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