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古い曲でも繰り返し若い人たちに聞いてもらう。それこそが〈音楽文化遺産〉の有効活用法です! 

 今、私は尚美ミュージックカレッジ専門学校で、〈日本のA&R 史〉という講座を3、4年生を対象に教えているのですが、これは年に30回のコマがあります。そこでやっていることは、1966年のマイク真木の「バラが咲いた」から和製フォークソング第一が始まりますが、それから今までの曲―もっと言えば、1960年のキングストン・トリオ、ブラザース・フォア、PPMから始まって、アメリカのフォークソングが日本に入って来て、和製フォークになって、カレッジ・ポップスになって、吉田拓郎が出て来てからの青春フォーク、ニューミュージック、それから80年代に入ってポップス、バンド・ブーム、90年代に入ってメガ・ヒットの時代―全部それらを聞かせるのです。ですから1回の講義で12曲ぐらい聞かせます。そうしますと、1年間かけて300曲近い曲を全部聞かせることになります。講義のときは12曲聞かせて必ず好きな曲のアンケートをとります。するとまず最初の頃に挙がって来るのは、「帰って来たヨッパライ」でどの世代でも毎年絶対手を挙げますね。やはり「面白い」と。もちろん講義で初めて聞く曲が多いのです。1980年にはまだ生まれていない人たちですから。90年ぐらいに生まれた人たちに、1960年から80年はほとんど知らない曲なのですが、それを全部聞かせていくわけです。音楽が好きな人は、やはり聞かなければ話にならないと。好き嫌いは自分で見つければいいのではないかという感じですよね。だんだん学生が子供の頃になってくると、知っている曲が出てくるのですが、それは何かというと、お父さん、お母さんが聞いていたと。車の中で聞かされたとか。それがやはり非常に影響力を持ってくるわけです。
 もう一つ面白いことは、最近の人たちで言うと、5年ほど前までは、レポートを書かせると文章になっていない学生が多かったんです。しかし、ここ3年間ぐらいの学生は、絶対に自分からは手を挙げない、うんともすんとも言わないですけども、レポートを書かせると90点、100点くらいの人が多いのです。これはきっとメールをやっているからでしょうね。メールはどんな短い文でも文章になっていますから。そうすると文章力がついているというのが、不思議だなと思います。そんな彼らに、昔の曲―彼らにとっては昔の曲ではなく、初めて聞く新曲ですから、そういうものをもう一度ちゃんと聞かせてあげればいいのではないかなと思います。今回ワーナーミュージック・ジャパンがエレック・レコードの復刻CD40作品を発売しました。そういう部分も逆に言うと若い人たちに―1500円で安いですから、音楽文化遺産として聞かせるとか。それは私どもの世代だけの音楽ではなくて、そういうふうに伝えていくということもやはりあるのではないかなと思います。音楽にも世界遺産があるという、そういうとらえ方も必要です。まさしく遺産ですよね。規模は小さいかもしれませんけれど、歌の影響力は大きいです。波及力も速いです。2ヵ月、3ヵ月たったらスターになっていますから。5分ぐらいの曲が、一気にバン!と広がる時の瞬発力とか、波及力―そういう部分は、音楽というのはまだまだ捨てたものではないかなという感じなので、やはりそれを自信を持って出していくということではないかと思います。要は、古いも新しいもないのです。いいものはたとえ古い曲でもくり返し、若い人たちに聞いてもらうことが必要なのです。それこそが音楽文化遺産の有効活用法ではないでしょうか。
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category: 俺が言う!

2014/01/14 Tue. 17:22 [edit]   TB: -- | CM: --

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