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オール女性キャスト〈龍馬を殺した女たち〉というミュージカル、これから大化けしそうな大物作品である! 

 コンサートもいいが、たまにはミュージカルにどっぷりとつかって楽しみたいものです。そんなふうに思っていた矢先に、知人の劇作家・演出家の広光美絵さんからお誘いのメール「来週から演出を手がける舞台が開幕します。お時間がありましたらご招待します」がきました。渡りに船とばかりに行ってみることにしました。
 そんな訳で、〈ユニットブルージュ〉第9回公演〈龍馬を殺した女たち〉を、7月30日、東京・高円寺の「座・高円寺2」で見ることにしました。どんな内容かというと、オール女性キャストで贈る歌×芝居×ダンス&ドラムの生演奏のミュージカル!と題されたチラシにこんなふうに紹介されています。

 慶応3年11月15日、日本の英雄・坂本龍馬が暗殺された。その15日に龍馬に接触した8人の女がいた。ある者は龍馬の幼なじみ、龍馬の弟子、龍馬の母親代わり……。
 龍馬亡き後に集まる8人。しかし、会話を進めていくうちに、何かがおかしい?誰かが嘘をついている?やがてその嘘から15日の真実が浮かびあがってくる。そして女たちの本性が暴かれていく。女たちの誰かが龍馬の暗殺に関わっていた?龍馬暗殺を女たちの視点からとらえたオリジナル・ミュージカル。キャストもダンサーも全員女で艶やかな世界を御届けします。

 このミュージカル、まずはその発想が素晴らしいし興味をそそられます。なぜかというと、〈龍馬暗殺〉は〈本能寺の変〉と並んで日本最大のミステリーで、解釈が自由にできるからです。事実はひとつ。慶応3年(1867年)11月15日に、京都河原町の近江屋で龍馬は襲われ、中岡慎太郎と共に暗殺された、ということ。しかし、誰に?となると諸説があって今でもはっきりしません。だから、日本最大のミステリーのひとつということになるのですが……。現にいろいろと言われています。京都見廻組説、新選組説、薩摩藩黒幕説、紀州藩説、土佐藩・後藤象二郎説などで、それぞれ小説なり、芝居、映画化もされています。私も興味を持って、いろいろな文献をあたってはいますが、正直言って、「これは……」と腑に落ちるものはまだありません。
 だからこそ、龍馬の側にいた妻のおりょうを始めとする8人の女たちが、龍馬暗殺に一枚かんでいたのではないか、という“発想”には、ひょっとしたら、と思わせるリアリティーが感じられるのです。ストーリーは、おりょうによって〈偲ぶ会〉に呼び出された女たちが龍馬が暗殺された日の、いわゆる“アリバイ”を自然と崩されていく。すると意外なことがわかってくるのです。とはいっても、憶測でしかないのですが、私たち観客は裁判の陪審員よろしく、女たちの証言を聴いて、自分なりに想像をふくらませて犯人像を絞っていく。この心理ゲーム、これがこのミュージカルの真骨頂と言っていいでしょう。
 劇中に龍馬は一度も出てきません。従って、私たちは女たちの証言を基に、それぞれが龍馬の姿をイメージするしかありません。すると不思議なことに、女たちの証言から、ひょっとしたら、そうかもしれない、と思わされてしまうから不思議です。これがこの脚本の発想というアイデアの素晴らしさです。芝居が終わった後、私はこの芝居の小説を読みたいと思いました。「龍馬を殺した女たち」をノベライズして、広光さんにはぜひ小説化して欲しいと思う。
 いずれにしても、龍馬を取り巻くきわめて親しい8人の女たちの中に“暗殺者”がいるのではないか、という“発想”は斬新で素晴らしい。その意味で、〈龍馬を殺した女たち〉というミュージカル、これから大化けしそうな大物作品です。それにしても、これだけ素晴らしいたくさんの女性に慕われた龍馬は男冥利につきるというものです。
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category: 俺が言う!

2015/09/28 Mon. 19:11 [edit]   TB: -- | CM: --

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