ということで、「頑張って下さい」と言われても頑張ることはなかなかできないのです。だが、そんなことを言っていたら何もできません。では、どうしたら頑張ることができるのでしょうか? そのためには目標を設定して、その目標を達成したら何か“ご褒美”を出すことです。たとえば、誰かと賭けをして、何月何日までに何キログラムやせたらいくらもらうとか、逆に達成できなかったら罰として本人がいくら払うとか……。こういう賭けはよくあることで、この場合、目標が設定されているし、なおかつ“ご褒美”もあるからわかり易いので頑張りがいがあります。
「働くみんなのモチベーション論」(NTT出版)の著者・神戸大学教授・金井壽宏さんは、人は何か“ご褒美”をめざして頑張る傾向がある、と言います。そして、ご褒美には他人から与えられる“外発的報酬”と、内から突き動かされる“内発的報酬”の2つがある、とも言います。先程のダイエットの賭けの場合は、さしづめ他人から与えられるものですから“外発的報酬”でしょうか。確かに、賞金があったり、海外旅行や高額の電化製品が付いていたり、昇給、昇進、ボーナスなどが付いていると、それを目あてに人は頑張る気になります。なんとも現金なものですが、そんな人間の欲望があるからこそ、そこを刺激させてやる気を出させることは間違いではありません。しかし、全部の目標に達成したら報酬がついているものではありません。受験シーズンですが、受験などはその最たるものです。合格したからといって賞金がもらえる訳ではありません。だとしたら、頑張ろうという意欲をどう持続させたらいいのでしょうか? こういうケースの場合、外発的報酬ではなくて“内発的報酬”が必要なんです。内発的報酬とは、達成感とか成長感とか、自己実現とか、本人の心の達成感が得られるかどうか、ということです。
人はなぜダイエットをするのでしょうか? 太っていても他人に迷惑をかける訳ではないし、本人が気にしなければ別にいいことです。でも、やせてスマートになりたい、という自分なりの達成感を味わいたいと思ったならば、その達成感を得たいという気持ちが頑張ろうというエネルギーを生み出すのです。受験だってそうです。一流大学、一流高校に入りたいという欲があったら、その欲を満たすためには合格したときの“達成感”をイメージして、そのために頑張るのです。そんなふうに考えると、人が本当に心の底から頑張ろうと思えるためには、達成感を得たいという内から突き動かされる“内発的報酬”が最も重要です。あなたは何に達成感を感じることができるでしょうか……。

