かつてフォークは“若者たちの歌”でした。あの“黄金のフォーク・ブーム”(72年から79年ごろ)から30年程が経ち、かつての若者たちは中高年となり、07年からは団塊の世代の一斉退職が始まりました。定年後の人生をどう生きるのか?が大きなテーマですが、そんなときに31年ぶりの『つま恋コンサート2006』は“あの頃の自分”を思い出させてくれたのでした。『つま恋コンサート2006』によって、私たちは31年前の『つま恋コンサート1975』時代にタイムスリップしてしまいました。そして“あの頃のぼく”に出会ったのです。その結果、現在の私と“あの頃のぼく”がなりたいと思っていた私、との間の微妙な“人生のズレ”を改めて認識してしまったのです。
アーティストたちも、初めて音楽を志した頃の自分がめざした自分と、現在の自分との間のズレに悩んでいます。その“人生のズレ”はアーティストとファンとの共通のテーマです。31年ぶりに共通のテーマを見つけたアーティストとファン、これが現在の“フォーク熱”の源流なのです。
近年、音楽の“同窓会”とも呼ぶべきコンサートや企画が増えています。中心となっているのは、70〜80年代に数々の名曲を生み出したフォーク、ニューミュージックのアーティストたち。かつては個々で活動していた同士が、同じステージに立ち、かつてのヒット曲はもちろんのこと、他のアーティストのナンバーを共演したりするケースも増えています。そこには、しがらみやプライド、打算的な匂いはなく、自分たちが活動してきた時代の“名曲”を後世に残していきたい、歌い継いでいきたいという思いが強く存在しています。観客もまた、こうしたステージを心地よく受け入れており、ステージを包む雰囲気は、アーティストと観客という垣根を越え、同じ時代を体感した“同窓会”の様相を呈していると言ってもいいでしょう。いろいろなアーティストの組み合わせが、現在全国で歌声を響かせているこの現象を、<同窓会パーティー>と私は名付け、全国レベルで静かな盛り上がりを見せているこの新しいコラボレーションに期待しています。
かつて黄金のフォーク時代には、アーティストや歌を題材にして、大いに語り合い、“議論”をかわしたものです。今はヒットすれば何でもいいという状況ですが、フォーク時代のフォーク好きには常に議論があったのです。吉田拓郎好きと井上陽水好きが最後にはケンカになるくらい熱く語れる音楽がフォークであり、フォーク好きには自分の知識を自慢したがる傾向があり、常に論じていたいのがフォーク・ファンだったのです。<同窓会パーティー>の盛況は“音楽を熱く語る”場の復活でもあるのです。そのホームグラウンドに<WEEK-END PARTY〜forever young〜>はあり続けたいと思います。

