早いものであれからもう38年という年月が流れてしまいました。長いようで短い38年間でしたが、その38年間を振り返ってみることにしました。手前みそですが、私の自叙伝ともいうべき単行本「音楽を熱く語るたびに夢が生まれた!〜聴いた。見た。感動した。J−ポップ四〇年史〜」(シンコーミュージック・エンターテイメント刊。3月10日発売)を書き上げて、本当に良かった、と思っています。
71年、20歳のときに拓郎の「今日までそして明日から」を聴いて私は、東大を中退して音楽評論家としてスタートしました。それ以来、37年間“青春”のすべてをかけて突っ走ってきました。ところが今、56歳になって自分が突っ走ってきた37年間を振り返り、自分の青春時代は何だったのか? と考えたとき、「これで良かったのか?」と思わざるをえません。というのは、現在の私と、20歳の“あのときのぼく”がなりたいと思っていた私、との間の微妙な“ズレ”があるのです。この“人生のズレ”を感じている以上、私はズレを修正しなければならないのです。
「お前の夢はかなったかい? 俺の夢は眠っていないか?」
20歳の“あのときのぼく”の問いかけに対して、どう答えるかが私のこれからのテーマです。今、私は“心の声”に励まされ、誘導されながら目的地に向かって漕ぎ出しています。新しい地平の彼方にくっきりと“何か”が見えてきたようです。
私の人生は第3コーナーを曲がって直線コースに入ったところです。地平の彼方に見えてきた“何か”はゴールかもしれません。でも、そうではないかもしれません。いずれにしても、「お前の夢はかなったかい? 俺の夢は眠っていないか?」という“心の声”に誘導されているのは確かです。そんな誘導電波に乗りながら、「自分自身を生きているだろうか?」と常に自分に問いかけながら、これから突き進むつもりです。私には今、確信していることがあります。これまでの37年間は、自分にとって最高の助走期間だったのです。だとしたら、最高の助走スピードに乗って、今度こそ、自分が行きたい方向に思い切って飛ぶことです。それができたとき、自分が感じている“人生のズレ”を直すことができるのです。自分の人生にとっては、これからが“メインステージ”なのです。あなたに自分の“心の声”が聞こえますか? 「お前の夢はかなったかい? 俺の夢は眠っていないか?」という……。

