時代は確実に“家族崩壊”へと突き進んでいます。そんな時代だからこそ、“家族”をテーマにした歌が必要とされているのです。その代表がすぎもとまさとの「吾亦紅」です。この歌は、すぎもとさんが亡くなった自分のお母さんのことを歌ったものですが、この歌を聴いて心のどこかがズキンと疼く人はたくさんいるに違いありません。「吾亦紅」は間違いなく“家族愛”の歌です。
家族内の殺傷事件や虐待といったニュースが毎日のように飛び込んでくる今日の混沌とした日本の社会で、その社会を根底で支えている“家族”というものに改めてスポットを当て“家族の絆”の尊さを再認識するべく編集された画期的なコンセプト・アルバムです。このアルバムを聴いていると、両親、家族、戦争、故郷のことを思い出さずにはいられません。私たちが社会で生きていくうえで“家族”が全ての原点であり、そこに“家族の絆”があるからこそ人は生きていけるということ、人間にとって一番大切なものは“家族”なのだ、ということを実感せずにはいられません。“家族”という根本的な問題に正面から向き合わせられる、そんなアルバムです。
“家族”は私たちがこの世に生まれて初めて属する社会であり、また最小単位の社会です。時代が“家族の絆”を大切にしろ、と叫んでいます。もう一度“家族の絆”があふれていた時代を振り返る必要があります。そのヒントがアルバム『La Famille〜家族の詩〜』にある、と私は確信しています。だからこそ、このアルバムを元にして“家族の絆”を考える、という番組を作ろうと思っています。たとえば、グレープの「無縁坂」をかけながら、こんなコメントを私は言うつもりです。
「歌の出だしの“母がまだ若い頃”というフレーズは、さだまさしが中学生の頃に書いた小説の書き出しで、そこにメロディーをつけたのです。人にはそれぞれの人生があります。親には親の、子には子の人生があるのです。それぞれの人生を思うところ、尊重するところから見えてくる“生きる”ためのテーマ。現在の親子には、その“思いやる”という感情が欠けているように思われます。子供を己の意図、エゴのために振り回す親。親の存在を無視して己の快楽だけのために行動する子供。親と子の“心のコミュニケーション”の大切さを、この歌は伝えているのです」

