富澤一誠の「俺が言う!」
音楽評論家 富澤一誠氏の 「俺が言う!」を掲載していきます。
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友だちだからこそ腹を割って話す。ときに徹底的にやり合うことも大切です!
 何でそうなるのかな、とガク然とすることがあります。
 先日、友人の“励ます会”をやりました。その友人をAとしましょう。主催する方は私と友人のB、先輩のCさんです。ちなみに、AとBは私の後輩です。
 待ち合わせの店の近くで大先輩のCさんにばったり会いました。「年末は忙しかったの?」とCさんが尋ねるので「ま、昔ほどではないですが、演歌系の人からのお誘いはまだ多いんですよ」と答えると、Cさんは「そうか。レコード大賞実行委員って、それなりに大変なんだね、今も・・・」とつぶやきました。
 Cさんはかつて大手レコード会社で宣伝部長としてレコード大賞の票集めをしていましたから、今どきのレコード大賞の現実を挨拶がてらに私に聞いてみたのかな、とそのときは思いました。ところが、この話にはとんでもない“伏線”があったのです。
 宴会は結果的に、CさんとBと私の3人の飲み会になってしまいました。というのは、その日の午後1時頃に“主役”のAから電話がかかってきて「風邪をひいたので今日は行けないのでキャンセルして欲しい」ということになったからです。しかし、大先輩のCさんから「せっかくだから3人で飲み会をやろう」という提案があったので、“励ます会”が定例の飲み会となったのです。
 宴もたけなわとなって終わりに近づいた頃、誰からともなく「励ます会はどうする?」ということになりました。そのときです。大先輩のCさんが「これで2度流れたってことだよね。年末は一誠さんが忙しいということでスケジュールがないので新年会になったんだけど・・・」と言いました。そのとき、私は「待って下さいよ。私はそんなことは言っていませんよ。私のスケジュールではなくて、Aのスケジュールがないっていうので、じゃあ、来年、改めて新年会を兼ねて励ます会をやろう、ということになったんじゃないですか」と反論しました。するとCさんは、「いや、私は一誠さんがレコード大賞で忙しいからスケジュールが無いと言ってるって、Bから聞いたけど・・・」と続けました。これを聞いて、私はムカッと怒りが湧いてきました。
「Bよ、それは違うよな。俺がそんなこと言う訳がないじゃないか。Aが30年も勤めた会社を突然辞めてしまったので、Aを元気づけようというときに、俺が自分のスケジュールを優先して来年にまわすなんて、ありえないよな。俺はそんな男じゃないよ」
 するとBが言い訳を始めました。
「いや、確か一誠さんがレコード大賞で忙しいって言うから今年になったんだよ」
 これを聞いて、私は怒りが倍増しました。
「ふざけんじゃないよ。俺はそんな男じゃないね、悪いけど・・・」
 見かねたCさんが仲に入って言いました。
「Bだな。お前のスケジュールが忙しかったんじゃないかな、たぶん、そうだろう」
「そうだよ、お前の都合なのに、俺のせいにするとは友だち甲斐のない奴だな・・・」。
 そんなふうに言いながらも、何でそうなるのかな、と私は淋しくなってしまいました。自分の非を隠すために、他人のせいにするなんて考えられないからです。この日は酒の勢いもあってかBを徹底的に糾弾し、「申し訳ない。俺が悪かった」とBの言質を取りました。これで一件落着。続く二次会でBといつものように盛り上がりました。友だちだからこそ、腹を割って話す。それこそが長く付き合うための最良策なのです。ときに徹底的にやり合うことも大切なんです。
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