そして今、私は“人生のズレ”を修復する、というテーマが私だけではなく、同世代の統一のテーマになりつつあると確信しています。というのは、5月15日(木)に銀座博品館劇場で<ブレッド&バターpresents―DRAMA & LIVE―「あの頃のまま」>という未来型ミュージカルを見たからです。このミュージカルは呉田軽穂こと松任谷由実が1979年にブレッド&バターに提供した「あの頃のまま」をモチーフにしています。
オープン間近に3人は仲違いをしてしまいます。セシリアの浅霧コウタ(林龍之介)、鈴木タダミチ(林直次郎)はちょっとした誤解から仲違い。2人が好意を寄せている安永マリエ(藤澤志帆)はそれを気にかけながら、荒れる海に引きずり込まれて行方不明になってしまう。こうして彼らの夢は消えてしまったのです。
それから40年程経ち、CM制作会社の社長になっている浅霧コウタ(寺泉憲)の前に鈴木タダミチ(井上純一)が現れます。そして40年前にはかなえることができなかったカフェをオープンしようと誘います。そこに40年前のままのマリエが現れ、3人は再びカフェに夢をかけます。その結果、カフェは見事にオープン日を迎えます。しかし、当日、コウタの前にタダミチとマリエは現れません。実は半年前にタダミチは亡くなっていたのです。そのときコウタは全てを理解するのです。「あの頃のまま」の自分を取り戻させるために、タダミチとマリエは自分の前に現れたのだ、と。「夢はあきらめたのではない。夢をかなえなかっただけさ」というセリフが身にしみました。そうです。かなえないでおいてきた“あの頃の夢”をかなえるのが、今の自分を生きるということではないでしょうか……。人生の“ズレ”を修正することは、おいてきてしまった“あの頃の夢”をかなえることなのです。

